多様な価値観を感じながら、社会にアプローチする企画を生み出す

株式会社電通 小島 雄一郎 さん

2017/03/23

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

株式会社電通にて、ジャンルを問わずさまざまな企画に携わり、大学のキャリアセンターでもプログラムを提供している小島雄一郎さんにお話を伺いました。

商品開発を担当したターナー色彩の「アヤナミブルー」(絵具)は、「エヴァンゲリオン」の綾波レイをイメージした色

私の仕事は簡単に言えば「考える」ことです。新商品の開発から社員のモチベーションを上げる研修イベントまで、ジャンルを問わずさまざまな企画に携わり、社会に向けてあらゆる企画を創造しています。単純に企画の「おもしろさ」が勝負となる仕事です。
私が広告の仕事を選んだのは、常に新しい価値観に触れ、自分を変化の中に置きたいと考えたからです。この思いは、学生時代に所属した「作詞作曲部OPUS」でのバンド活動の影響が大きいと思います。ライブハウスでは普通の大学生活では出会えないジャンルの人たちと交流する機会があり、多様な価値観に触れることができました。そうして自分自身の視野も広がり、何でも柔軟に受け入れ、出力するアイデアの幅も広がったと感じます。

(左)『広告のやりかたで就活をやってみた。』商 品、競合、ターゲット、マーケティングなど、広 告のアプローチで就職活動を検証する一冊 (右)『なぜ君たちは就活になるとみんな同じよう なことばかりしゃべりだすのか。』大学生向け キャリア支援講座の内容をまとめた本

また、ロジカルな物の考え方とプレゼンテーション能力は、法学部での学びにより身に付けたものです。プレゼンテーションは、周囲から情報を集め、自分の中で組み立て、他人に発信すること。企画はアイデアだけでは意味がなく、クライアントやスタッフ、そして消費者にどうアプローチできるかで良し悪しが決まります。分かりやすく伝える能力があってこそ、初めて人に「おもしろさ」を伝えることができるのです。
こうしたアイデアの種とアウトプットの手段を活用して、さらに魅力的な企画や広告を生み出すために、私は自己肯定感の形成や他者との関わりなど、人が変わるきっかけを作ることを意識しています。広告制作においては、マニュアル通りに「正解」を求めるのではなく、自身の中で情報をかみ砕き、どう伝えるかということが非常に大切です。これは就職活動にも応用できる考え方。採用する企業にとっても、企業分析と自己分析を自分の言葉で語る学生は、マニュアル通りに語るほかの学生とは大きく違ってみえるでしょう。そのことを学生たちに広め、伝えていきたいと就職活動向けの『広告のやりかたで就活をやってみた。』を発行。さらに、大学のキャリアセンターでもプログラムを提供しています。
「キャリア」、つまり「どう生きるか」ということは、私が考え続けたいテーマです。
皆さんも、視野を少し広く持ち、就職とその先にある自分の人生について考えてみるのもいいかもしれません。
税金や労働力以外に、自身が社会の一員として社会に提供できるものは何なのか、考え抜いた先に答えがあるでしょう。