不器用だけど、努力することは得意
—ミスター立教から朝ドラの俳優に
俳優 大野 拓朗さん
2017/10/27
立教卒業生のWork & Life
OVERVIEW
NHK『Let’s 天才てれびくん』のMCと、2016年春のNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』出演で、子どもから大人まで一気に魅了した俳優?大野拓朗さん。爽やかな笑顔とバツグンのスタイルはもちろん、その演技力も高く評価され、2017年10月からの連続テレビ小説『わろてんか』で主人公を支える漫才師役?キースに大抜擢されています。デビューから8年、俳優として着実に評価を高めている大野さんに学生時代や俳優になったきっかけなどを伺いました。
スポーツウエルネス学科の一期生ですね—
もともとスポーツ、特に高校の部活でやっていたバスケットボールが大好きで、小さい頃はスポーツ選手になるのが夢でした。大学受験では一浪することにはなったのですが、1年待ったおかげで、立教大学のコミュニティ福祉学部にスポーツウエルネス学科が新設されました。中学まで板橋区に住んでいて、昔から、立教のツタの絡まる校舎がかっこいいなと憧れていたのもあり、その立教にスポーツの学科ができたのなら「ここしかない!」と思ったんです。当時はプロスポーツを支える、メディカルトレーナーのような仕事に就きたいと思っていました。
学生生活はどうでしたか—
毎日大学に行くのが楽しかったですね。「栄養学」「解剖学」など、全て将来につながっていると思うと、机に向かう授業も全部おもしろかったです。新座キャンパスは広くて体育施設が整っていたので、空き時間は友だちとバスケットボールや筋トレに夢中になっていました。それからアルバイトもスポーツクラブで。いま思えば、本当にスポーツ漬けの毎日でしたね。キッズスイミングのコーチやジムでのトレーナーの経験を通していろいろな世代の人と接することができたのはとても勉強になりました。
ミスター立教は狙っていた?—
いえいえ、新座で男ばかりの毎日を送っていましたよ(笑)。1年次の時に広告研究会主催の「ミス?ミスター立教コンテスト(通称:ミスコン)」の実行委員会からスカウトをいただいて。服やファッションには興味はあったけど、オシャレな学生が集まる池袋キャンパスで、他の候補者と競い合うなんてとても自信がありませんでした。それで、最初の年はお断りしました。でも翌年も前年度の実行委員長から「今年こそ出場して! 出てくれなかったら私、一生後悔する!!」と頼み込まれて…。一生!? って(笑)そこまで言われたら出ない訳にいかないですよね。それで「思い出づくり」ということで出場を引き受けたんです。その年におかげさまでミスター立教に選んでいただきました。
俳優への道を教えてください—
ちょうどその年、ホリプロ50周年を記念した俳優スカウトオーディション『キャンパスター★H50 with MEN’S NON-NO』が企画され、各大学のミスターは優先的に出場権を与えられていました。その時点ではまだ俳優を目指そうとはまったく考えていなかったのですが、『MEN’S NON-NO』は好きだったので、そのまま何となく他大学のミスターや一般公募の俳優志願者たちと競い合うオーディションへ進んで行きました。
どこで本気スイッチが入ったのでしょう?—
(左)キャンパスターグランプリ獲得時の大野さん (右)池袋キャンパスでインタビュー中の大野さん
そこから約3か月のオーディション期間、外面だけでなく、感性や演技力を高めていくプロセスの中で、他の候補者たちの、貪欲なギラギラした感じがカッコいいな、と思ったんです。なんだかみんな輝いていて、本当に単純に負けたくないなと思いました。僕の“負けず嫌い”が頭をもたげ始めた瞬間ですね。さらにやる気に拍車を掛けたのが合宿中の演技レッスン。バスケットボールにハマったのと同じ感覚で、すっごく楽しくて。「もっと上手くなりたい」と強く思いました。そこからは、自由参加の土日レッスンにも欠かさず通い、朝から晩まで練習しました。
僕はもともと不器用なんですよ。ウサギとカメなら完全にカメ。だから人一倍、努力する。努力できる自信はあるんです。できないのがとにかく嫌で、スポーツも人より練習しているうちに、できないことがいつの間にかできるようになった。このオーディションの最終選考で選ばれる自信は正直なかったです。でもグランプリで自分の名前を呼ばれたときには、やっぱり努力は裏切らなかったと思ったし、この世界でやっていく! という気持ちが固まりました。
僕はもともと不器用なんですよ。ウサギとカメなら完全にカメ。だから人一倍、努力する。努力できる自信はあるんです。できないのがとにかく嫌で、スポーツも人より練習しているうちに、できないことがいつの間にかできるようになった。このオーディションの最終選考で選ばれる自信は正直なかったです。でもグランプリで自分の名前を呼ばれたときには、やっぱり努力は裏切らなかったと思ったし、この世界でやっていく! という気持ちが固まりました。
俳優業と学業は両立できましたか—
映画『インシテミル~7日間のデス?ゲーム』に出演して以来、以前のように大学に通うことがままならなくなりました。でも1?2年次までにしっかり単位を修得していたので、あとは試験や提出物をしっかりやることで卒業できました。先生方も「芸能界か、がんばれよ」って応援してくださって、うれしかったですね。先生方との距離は近く、今でも頼りにしています。アスペルガー症候群の青年役に挑んだときには、専門分野の先生の研究室を訪ねて、だいぶ話し込んできました。
両立して4年で卒業されたのは、さすがですね。それでは現役の立教生と校友の皆さんにメッセージを—
大学時代って、自分の好きなことが思い切りできる4年間ですよね。「やっておけば良かった」と後悔することがないように、たとえそれが無駄に感じられても、何でもやってみたらいい。意外とそれが人生の糧になることもあると思うんです。
僕は今、『池袋ウエストゲートパーク』というミュージカルの主演をやらせていただくことが決まっています。昔からドラマも小説も大好きな作品なので、マコト役を演じられると決まった瞬間はシビれましたね。ただ大好きなだけに手放しで楽しみというより、正直不安も感じています。でもやっぱり演じることは楽しいし、面白い芝居で観ている人を笑顔にしたい。笑うと人は元気になれますからね。目指すは「2.5枚目俳優!」 ぜひ応援してください!
僕は今、『池袋ウエストゲートパーク』というミュージカルの主演をやらせていただくことが決まっています。昔からドラマも小説も大好きな作品なので、マコト役を演じられると決まった瞬間はシビれましたね。ただ大好きなだけに手放しで楽しみというより、正直不安も感じています。でもやっぱり演じることは楽しいし、面白い芝居で観ている人を笑顔にしたい。笑うと人は元気になれますからね。目指すは「2.5枚目俳優!」 ぜひ応援してください!
CATEGORY
このカテゴリの他の記事を見る
立教卒業生のWork & Life
2024/12/18
憧れのユニフォームを纏い、つかんだ夢の舞台で輝く
横浜DeNAベイスターズ 中川 颯さん
プロフィール
PROFILE
大野 拓朗 さん
2012年コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科卒業
1988年11月14日生まれ、東京都出身。2010年俳優デビュー。以後、『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系)、『三匹のおっさん~正義の味方、見参!!~』(テレビ東京系)など人気ドラマに出演。NHK Eテレ『Let's天才てれびくん』ではメインMCを3年間務め、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』松下村塾の塾生?野村靖役、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』青柳清役を好演し、幅広い世代の支持を集める若手俳優に。主演ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の成功を機に俳優として活躍の幅をますます広げている。