視覚しょうがい者も晴眼者も一緒に楽しめるボードゲームを開発。「分断」のない社会の実現を目指す
Blined Project(ビーラインド?プロジェクト)代表、文学部文学科文芸?思想専修2年次 浅見 幸佑さん
2023/01/26
立教生のキャンパスライフ
OVERVIEW
視覚しょうがいがある人とない人の分断を解消したい。その思いに共鳴した学生が、大学の垣根を越えて集まった「Blined Project(ビーラインド?プロジェクト)」で代表を務めるのが浅見幸佑さんだ。
ビーラインド?プロジェクトのメンバー(中央が浅見さん)。5人全員がそれぞれ異なる大学に所属し、1?2年次生のみで構成される
「『分断』が生じる原因を考察し、本来は人と人とをつなぐはずのエンターテインメントの多くが、利用者に視覚があることを前提に作られている点に着目しました。そこから開発したのが、『見ても、見なくても、見えなくても、楽しめるボードゲーム“グラマ”』。参加者が自分の巾着袋の重さを言葉で説明し合って調整し、てんびんに載せて釣り合ったら成功です」
2022年4月から6月に、ゲームの配布と体験会の開催を目的にクラウドファンディングを行った結果、わずか2カ月で145人もの支援者が集まった。「約120万円の支援金をいただき、皆さまへのリターンを含めて100台のグラマを社会に提供できました」と話す。NHKや毎日新聞などのメディアで紹介され、その活動はさらなる広がりを見せている。
「最近ではしょうがいへの理解啓発に取り組むNPOとグラマの体験会を共催したり、『100BANCH GARAGE Program※』に採択されたりと、活動当初から追いかけていたものにようやく手が届いたという思いがありますね」
※100BANCH GARAGE Program:「100年先の世界を豊かにするための実験区」というコンセプトで、東京都渋谷区に開設された「100BANCH」。次世代の若手リーダーを育成する「GARAGE Program」では、審査を通過したチームに活動場所やメンターによるサポートを提供している。
2022年4月から6月に、ゲームの配布と体験会の開催を目的にクラウドファンディングを行った結果、わずか2カ月で145人もの支援者が集まった。「約120万円の支援金をいただき、皆さまへのリターンを含めて100台のグラマを社会に提供できました」と話す。NHKや毎日新聞などのメディアで紹介され、その活動はさらなる広がりを見せている。
「最近ではしょうがいへの理解啓発に取り組むNPOとグラマの体験会を共催したり、『100BANCH GARAGE Program※』に採択されたりと、活動当初から追いかけていたものにようやく手が届いたという思いがありますね」
※100BANCH GARAGE Program:「100年先の世界を豊かにするための実験区」というコンセプトで、東京都渋谷区に開設された「100BANCH」。次世代の若手リーダーを育成する「GARAGE Program」では、審査を通過したチームに活動場所やメンターによるサポートを提供している。
初めに「文房具の重さ」など全員がイメージしやすいお題を決める。勝ち負けがない協働ゲームのため、参加者の一体感が高まるという
『グラマ』で遊んでいる様子。2022年8月末時点で計約300人が体験しており、大規模なイベントへのブース出展も行われている
立教大学では、文学部文学科文芸?思想専修で学ぶ浅見さん。「思想を扱う授業や日々の討論で培った『問いを提起する力』は、ビーラインド?プロジェクトが掲げる理念をさらに深めていく上で役立っています。答えのない問いと向き合い、対話をしようとメンバー全員に働き掛けるのは、私の役割だと自負しています」と語る。その大きな挑戦はこれからも続く。
「自分たちが描く理想の未来を言語化して多様な人々と共有し、その実現に向けて必要な『体験』を社会に提供していきます」
「自分たちが描く理想の未来を言語化して多様な人々と共有し、その実現に向けて必要な『体験』を社会に提供していきます」
※本記事は季刊「立教」262号(2022年11月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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