大学の授業やプログラムを徹底的に活用——「これが充実した学校生活」と、納得のいく就活のカギに

浅利 真梨奈さん 東京都特別区心理職(現代心理学部心理学科 2020年3月卒業)

2020/04/15

キャリアの立教

OVERVIEW

現代心理学部の卒業生に立教大学での学生生活とキャリア形成についてお聞きしました。

「サービスラーニング」の授業が「就職」を意識するきっかけに

高校生の頃にカウンセラーやカウンセリングという仕事に興味をもちはじめ、心理学科に進学しましたが、その頃はあまり具体的な仕事をイメージしておらず、むしろ「ずっと大学生でいたい」と、のんきに構えていました。

「働く」ことを強く意識するようになったのは、「サービスラーニング」の授業がきっかけです。サービスラーニングは、国内や海外の様々な地域に滞在し、その地域が抱える問題や課題について学生同士が話し合い、地域に還元していく授業。私はインドネシアに滞在し、子どもたちに将来の夢について考えてもらうプログラムや、プラスティックをテーマにした環境問題についての講義を行いました。

このとき、たくさんの子どもの笑顔に触れたことで、子どもに関わる仕事に就きたいと考えるように。海外の子どもたちと出会えるプログラムを準備してくれたサービスラーニングに感謝です。もし個人で海外を旅行したとしても、きっと「楽しい」だけで終わってしまっていたでしょう。

積極的な課外活動への参加で、自分の世界を広げる

授業はもちろん、吹奏楽サークル、インターンシップへの参加と課外活動にも力を入れてきたのですが、もっとも印象に残っているのが、大学のプログラムで東日本大震災の被災地である南三陸町を訪れたことです。プログラムで出会った大変尊敬する方にもう一度会うために、半年後、インターンという名目で南三陸町を再訪。他の参加者と一緒にシェアハウスで生活しながら、「宿泊施設兼研修施設のリピーターを9割まで上げるには」という課題解決に向けて、グループワークをしたり、インタビューをしたり、プレゼンをしたりと、様々な経験を積みました。1ヵ月も滞在すると、人との関係性もできますし、地域への愛着も沸きますから、いまや南三陸は私にとって第二の故郷。

課外活動は参加しなくても卒業できますが、私としては積極的に参加することをおすすめします。大学生活はなんといっても自由。いくらでも自分で充実させることができるので、興味を持ったプログラムにはどんどん挑戦して、自分の世界を広げていって欲しいと思います。

公務員試験予備校の代わりにキャリアセンターを活用

就職に関しては、公務員になりたいと考えながらも、東京都かな、でも地元に戻って群馬県もいいな、いややっぱり民間も捨てがたい……と、12月くらいまで定まりませんでした。

最終的には、公的な機関の方が支援できる人が幅広いだろうと考え、東京都で公務員になることを決めました。ただスタートが遅かったため試験まで時間がなく、一からの勉強では間に合わないので、効率を重視して過去問を解くことから始めました。実際の問題ということでモチベーションが上がったため、私のような「形から入りたい派」にはおすすめです。

問題は面接対策。始めるのが遅すぎてもう入れる予備校がなかったので、面接の対策にはキャリアセンターを活用しました。毎日のように通っては、面接カードを見てもらったり、ときには「もうダメかもしれません」と弱音を吐き、励ましていただくことも(笑)。キャリアセンターは、独学で公務員試験突破を目指す私にとって、もっとも心強い味方でした。

心理職にしかできないことがある。だから頑張ると決めた

努力の甲斐があり、東京都特別区の採用試験に合格。卒業後は公務員として歩み始めることが決まりました。まだ決定しているわけではないのですが、おそらく児童相談所などの関連施設で、心理職として働くことになると思います。

進路が決まったこと自体はホッとしているのですが、同時に怖さも感じているのが正直なところ。児童相談所とのコミュニケーションがうまくいかずに、子どもの命が失われたという悲しいニュースを見て、逃げ出したくなったこともあります。それでも保護者の相談に乗ることや、子どもの心のケアなど、心理職にしかできないことが、児童相談所にはたくさんあります。

実際に心理職として勤め始めたら、きっとつらいこともあるでしょう。泣きたくなる日もあるでしょう。それでも心理職である自分にしかできないことがある限り、前を向いて、ひたすら頑張ろうと思っています。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。

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