立教サービスラーニング(RSL)の新展開——SDGs、カーボンニュートラルの実現に向けて/科目紹介

立教大学

2023/04/24

トピックス

OVERVIEW

「RIKKYO Learning Style」の〈導入期?形成期?完成期〉に合わせて、講義系?実践系?ゼミナールそれぞれの科目(全学共通科目)が用意されています。

科目紹介1 講義系

「カーボンニュートラル人材育成講座」—SDGs/気候変動問題 —

授業で使用したスライドより

生命の基盤である地球を、 持続可能な形で次世代へつなげていくために

近年、異常気象が世界中の人々の生活に深刻な被害をもたらし、生態系にも大きな影響を与えています。これには地球温暖化が関係していると考えられており、私たちはいま何をすべきかが問われています。本科目では、地球環境の現状と、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルについて深く学び、それを社会で実現するための施策を提案?実行できる人材を育成することを狙いとしています。
担当教員
法学部法学科 教授
河村 賢治 KAWAMURA Kenji
共同担当者:兼任講師 村上 千里

気候変動の影響を深刻な形で受けるのは、対応する術のない脆弱な立場の人たち。そうした人たちに思いをはせることを、授業では大切にしていきたいと考えています。カーボンニュートラルを実現するには、多くの人々を巻き込む力が必要になります。それを養うために、多様な分野で活動するゲスト?スピーカーの話を伺い、カーボンニュートラルに関する課題を学生自身が考え、課題解決につながる提案をしてもらう授業を行っています。
2022年度の主なゲスト?スピーカー
  • IPCC報告書の執筆者の一人である国立環境研究所の江守正多氏
    ※IPCC:気候変動に関する政府間パネル。
  • 環境省でグリーンファイナンスなどを担当する水野紗也氏
  • 豊島区で環境施策に係る計画策定などを担当する石井聡美氏
  • 本学で省エネを含めた施設管理を担当する餅田忠氏
  • 環境省で企業の脱炭素経営の促進を担当する金澤晃汰氏
  • 脱炭素経営を推進する丸井グループサステナビリティ部
  • 立命館大学でカーボンニュートラルの取り組みを推進する佐藤圭輔氏

履修学生の声

大学が一丸となってカーボンニュートラルを実現できると実感

経済学部経済政策学科1年次
福田 和佳奈 FUKUDA Wakana

入学前から気候変動に危機感を抱いており、専門的に学べる科目を探したところ、「カーボンニュートラル人材育成講座」を見つけました。特に印象に残っているのは、大学で施設管理を担当する方から話を伺い、学内の省エネ施設を見学したこと。さまざまな工夫が施されていると知り、さらに学生の意識も高めることで、大学が一丸となってカーボンニュートラルを実現できると感じました。また、学部や学年を超えたグループワークを通じて、多角的な視点と協働する力を養うことができたと思います。1年次の春学期にはRSLの「大学生の学び?社会で学ぶこと」を履修。立教大学におけるサービスラーニングの成り立ちや目的を学びました。この土台があったからこそ、「カーボンニュートラル人材育成講座」での学びが、より有意義なものになったと感じます。

科目紹介2 実践系

「RSL-ローカル(地域共生)」— SOCIAL & PUBLIC(SDGsとグローカルの可能性?実践編) —

フィールドワークでの農作業

SDGsを「自分事」として理解し、 同時にデザイン目線、プロデューサー感覚を養う

SDGsとグローカルの可能性について、実践の中から五感で学び、課題解決に必要な視点や方法を身に付けます。5日間のフィールドワークでは、国内有数の「暑いまち」で知られる埼玉県熊谷市にある古民家をリノベーションしたゲストハウスに宿泊し、地域と関わりながら「農からはじまる暮らし」を体験。しょうがい者と協働して、水耕栽培や夏野菜の収穫といった農作業、藍染めなどに取り組みます。
担当教員
兼任講師
加賀﨑 勝弘 KAGASAKI Katsuhiro
有限会社PUBLIC DINER代表取締役

学生に繰り返し伝えているのは、「思ったこと、感じたことをそのままシェアしてほしい」ということ。フィールドワーク後半では、自分の内側から出てくる言葉を発することができていました。それは、地に足が着き、自分自身を理解することにつながります。一生モノの武器を自ら発見し、人生をサバイバルできる方法を身に付け、同時に仲間も発見していく旅のような授業を今後も目指したいと思います。
連携企業
  • PUBLIC DINER社
    “地域を食でデザインする”をコンセプトに、飲食店6店舗、ゲストハウスなどを運営。
  • 埼玉福興社
    多様な「人財」活用の一つとして、しょうがい者等を雇用しつつ、農業生産を行う。

※サブタイトルの「SOCIAL & PUBLIC」とは、この2社による合同レーベルであり、活動体の名称。フィールドワークもこの考えに基づいて行われた。

履修学生の声

コロナ禍で失われた実践的な学びを取り戻す機会に

法学部法学科4年次
柳田 遼太郎 YANAGIDA Ryotaro

「RSL-ローカル(地域共生)」のフィールドワークはとても充実していて、大きな学びや感動がありました。この貴重な体験は、コロナ禍で失われた「社会を知る経験」や「交流の場」を取り戻す機会となり、とても満足しています。フィールドワーク中は、熊谷市で国内トップクラスの猛暑を体験し、環境問題について考えさせられました。解決するためには、行政はもちろん、多くの関係者がさまざまな方法で取り組む必要があると実感。「食」では、オーガニックで美味しいものを味わいましたが、その背景には埼玉福興社でのしょうがい者の働きがあることを忘れてはなりません。彼らが前向きに生きるためには、彼らを取り巻く環境がいかに肯定的であるかが重要です。フィールドワークでは、それが実現されており、素晴らしいと感じました。

CATEGORY

このカテゴリの他の記事を見る

トピックス

2024/12/12

出会いを重ねた立教時代 
音楽をめぐる旅は続く

創立150周年記念企画 総?対談シリーズ ~“自分らしい生き方”を追求するということ~

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。