公開講演会「日本史探究を世界史にひらく」
INFORMATION
本シンポジウムは、歴史教育、とくに高等学校の新科目として2022年度から導入された日本史探究において世界史とどのように接続されるべきかを多角的に検討することを目的とする。世界史の中で日本史を考えることの重要性は古くから論じられてきたが、多様な地域?時代にまたがる世界史教育と比べたとき、日本一国の通史として構成され、情報量も多い高等学校の日本史科目のなかで世界史との接続を実際に取り扱うことは決して容易ではなかった。史資料を活用した探究学習が求められている現在、質量ともに重厚な日本史をどのように解きほぐし、世界史とつなげ、ひらいていくのか、世界史?日本史双方の高校教員?研究者とともに考える場にしたい。当日は、世界史?日本史それぞれの分野で、研究と教育をつなぐ新たな提言と実践を行ってきた大学教員?高校教員の個別報告や、高校生?教職志望の大学生によるラウンドテーブルを通じて議論を深めてゆきたい。
講師
本学文学部史学科日本史学専修教授
佐藤 雄基
長野県伊那弥生ケ丘高等学校教諭
小川 幸司(おがわ こうじ) 氏
文学士(東京大学)。世界史教育。主な著作に『世界史との対話:70時間の歴史批評』上中下(地歴社、2011-2012年)、『世界史とは何か:「歴史実践」のために』(岩波書店、2023年)、『岩波講座世界歴史第1巻世界史とは何か』(責任編集)(岩波書店、2021年)など。
中央大学文学部教授
阿部 幸信(あべ ゆきのぶ) 氏
博士(文学)(東京大学)。古代中国史。主な著作に『中国史で読み解く故事成語』(山川出版社、2021年)、『漢代の天下秩序と国家構造』(研文出版、2022年)、『印綬が創った天下秩序—漢王朝の統治と世界観』(山川出版社、2024年)など。
中央大学文学部特任教授
大西 信行(おおにし のぶゆき) 氏
博士(史学)(中央大学)。日本中世史?歴史教育。主な著作に「『朝鮮王朝実録』に収められた二つの《良懐上表文》」(『中央史学』45号、2022年)、「《良懐上表文》再考:一四世紀後半の日明関係史の一齣」(『古文書研究』94号、2022年)、「胡惟庸?林賢事件についての歴史叙述:洪武年間の日明関係を理解するために」(『史苑』84(2)、2024年)など。
東京大学史料編纂所准教授
岡 美穂子(おか みほこ) 氏
博士(人間?環境学)(京都大学)。主な著作に『商人と宣教師:南蛮貿易の世界』(東京大学出版会、2010年)、『大航海時代の日本人奴隷:アジア?新大陸?ヨーロッパ増補新版』(ルシオ?デ?ソウザとの共著)(中央公論新社、2021年)、The Namban Trade: Merchants and Missionaries in 16th and 17th Century Japan (Leiden, 2021)、『つなぐ世界史1古代?中世』(清水書院、2023)(責任編集)など。
海城中学?高等学校教諭
横井 成行(よこい しげゆき) 氏
修士(文学)(早稲田大学)。主な著作に「「海の向こうに「きもの」はひろがる—18世紀日本と世界を再考する素材として—」(『海城中学高等学校研究集録』44集、2020年)、「教室レポート「歴史総合」の授業実践の試み」(『歴史と地理』717号、2018年)など。
詳細情報
名称
内容
13:00 趣旨説明:佐藤雄基
13:10 日本史探究と世界史探究を問題群でつなげる:小川幸司氏
13:40 「日本史」のなかの「世界史」、「世界史」のなかの「日本史」:1990年代以降を中心に(仮):大西信行氏
14:10 休憩
14:30 「漢委奴国王」金印がひらく世界史への扉:阿部幸信氏
15:00 戦国時代を海洋にひらく南欧語史料の視点から:岡美穂子氏
15:30 18世紀の「太平洋世界」と「きもの」の流通—「日本史」を世界にひらく観点から:横井成行氏
16:00 休憩
16:20 学生によるラウンドテーブル(チェア:大西信行氏)
16:40 総合討論
対象者
申し込み
主催
共催
後援
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文学部史学科日本史学専修教授
佐藤 雄基
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