立教の世界展開力——世界で選ばれる大学へ
立教大学
2023/01/17
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
創立時から受け継がれる立教大学の国際性は2014年に文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」に採択されたことで改めて確認され、数々の先進的な取り組みを実施してきました。そして2021年11月には、本学を含むアジア4大学の連携事業である「ACEプログラム」が、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択され、私立大学で唯一の新規採択校となっています。国際化推進担当の松井副総長に立教大学のグローバル化について伺いました。
深化するグローバルリベラルアーツ
法学部国際ビジネス法学科 教授
松井 秀征
アジアトップクラスの学生と共創するACEプログラム
ACEプログラム特設サイト
※1 ACE:The Asian Consortium for Excellence in Liberal Arts and Interdisciplinary Education
同プログラムは、①4大学間長期交換留学、②インテンシブプログラム(夏?冬)、③共同オンライン科目群の設置、④インターンシップまたは社会貢献活動、⑤国際文化交流の5つが大きな柱となります。また、Cではじまる6 つのコアスキル※2 を
※2 Cではじまる6つのコアスキル:
Critical thinking, Collaboration, Communication,Consilience, Challenge, Cosmopolitan
「前例のないチャレンジでしたが、確かな手応えを感じました。立教以外の参加学生からは『リーダーシップ教育が興味深く、勉強になった』とのコメントがあり、本学の学生もアジアトップクラスの大学の学生と協働する中でおのおのがリーダーシップを発揮していたと感じます」
ACEプログラムでは長期交換留学もスタートし、今秋、第1期生が1大学目の留学先に渡航しました。長期交換留学に参加する学生は、提携3大学のうち2大学に留学し、1大学はオンラインで授業を受ける、というのが基本的な形となっています。
これまで以上に多様な外国人留学生を受け入れる
「日本語能力という“参入障壁”を下げることで、これまで以上に多様な外国人留学生が集い、学内での国際交流がさらに活性化することを期待しています」と、松井副総長。
立教の国際化を牽引(けんいん)するGLAP
松井副総長は、「就職先は外資系の企業や社内公用語が英語である職場が多いです。卒業生がグローバルな舞台で力を発揮することになり喜ばしく思います。また、先述のACEサマー?インテンシブプログラムでは本学の学生がスタッフとして関わってくれたのですが、GLAPの学生も多数参加して、その実力を存分に発揮してくれました」と話します。
立教の世界展開のいまとこれから
一方、施設や設備についてもグローバルラウンジや祈りの部屋、ハラル食堂など、多様なバックグラウンドを持つ学生が学びやすい環境を整備してきました。
今後の立教の世界展開について松井副総長は次のように話します。
「大学が国際化することは、大学として国際的な競争の中にさらされるということです。その中で本学が選ばれるためには固有の魅力を持つことが不可欠であり、それは教育力や研究力にほかならないと考えています。リーダーシップ教育のように、立教大学の核となるものをこれからも見いだし、世界に発信してまいります」
※ CLIL:Content and Language Integrated Learning
ACEサマー?インテンシブプログラム 学生の声
プレゼン後の充実感は忘れられない(参加学生)
三瓶 峻さん
3年次から4年次にかけて学部間交換留学でヨーロッパに留学していました。帰国後、「これまで関わりが少なかったアジアトップクラスの学生と交流したい」「自分のリーダーシップや英語力がどこまで通用するか試してみたい」という思いから、インテンシブプログラムへの参加を決意。
5日間のプログラムで、自らのリーダーシップを発揮しながら他者のリーダーシップも生かしてグループワークを進めることの大変さもありました。それだけに最終日のプレゼンテーションを終え、「みんなよく頑張った」とお互いに労をねぎらった瞬間の充実感は忘れられません。
今回のプログラム以外にも立教GLP※1や国際経営学科のBBL※2といった学びを通して、リーダーシップや英語力、自分を客観視する力が身に付きました。卒業後はイギリスの大学院に進学し、さらに成長していきたいです。
参加学生のレベルの高さは大きな刺激に(運営学生)
久保 みなみさん
学生スタッフとしてプログラムの開発や当日のファシリテートを担当。アジアトップクラスの学生と肩を並べて、共に何かを生み出す経験はなかなかできないと思い参加を決めました。プログラムの大枠は担当の先生が作ってくださいましたが、詳細は学生スタッフが議論して決めたものだったので、何事もなく終えられたことが何よりうれしかったです。
プログラムの中で特に印象に残ったのが、参加学生のレベルの高さです。ディスカッションの視座は高く、レクチャー後に出てくる質問も私たちの想像を超える内容ばかりで大きな刺激を受けました。一方で、私たちが普段立教で学んでいるリーダーシップの理論は国境を越えて通用すると確信しました。今回のインテンシブプログラムは立教GLP※1の内容を派生させたものであり、グローバルな舞台で生きるリーダーシップを学べるのは立教の強みだと思います。
※2 BBL(バイリンガル?ビジネスリーダー?プログラム):グローバルな環境でリーダーシップを発揮できる人材を育成する、国際経営学科のコアカリキュラム。
英語カリキュラム/CURRICULUM
※1 EMI:English as a Medium of Instruction
※2 CLIL:Content and Language Integ rated Learning
「英語ディベート」科目
全学共通科目 総合系科目「F科目」——世界を見据え、リベラルアーツを英語で学ぶ
グローバル教養副専攻/RIKKYO MINOR PROGRAM
グローバル教育センター提供プログラム/PROGRAM
※ 「立教GLP」もグローバル教育センター提供プログラムです。
※ グローバル教育センター提供プログラムは正課科目です。また、グローバル教養副専攻の指定科目です。
海外インターンシップ
海外での就業体験や生活を通じて、企業と社会の仕組みを理解し、グローバルに働くイメージを持つきっかけを得るプログラム。形態の異なる3タイプの海外インターンシップを展開しており、異文化適応力、コミュニケーション能力、外国語運用能力、主体性、責任感、柔軟性、発信力といった国際的に活躍できる力を高めます。
※就業体験の期間(1週間~4カ月程度)等は、プログラムによって異なります。
国連ユースボランティア
国連機関である国連ボランティア計画(UN Volunteers)と連携して、学生を開発途上国へボランティアとして約5カ月間派遣するプログラム。開発途上国でのボランティア活動と、異なるバックグラウンドを持つ人々との生活や協働を通じて、グローバル人材として必要な素養を身に付けます。国連やNGOによる現地での国際協力活動を間近で体験する機会にもなります。
陸前高田プロジェクト
立教大学と長年交流のある岩手県陸前高田市での活動を通じて、被災地の現状を知り、復興における課題を共有することを目的としたプログラム。課題に取り組む中で、課題解決能力、プレゼンテーション能力、論理的思考力、情報発信力などを身に付けます。また、海外の学生との協働作業を通じて、外国語運用能力や異文化適応力、リーダーシップ力も養われます。
「国際協力人材」育成プログラム
「国際協力」に関する幅広い分野を英語で体系的に学ぶプログラム。国際協力の幅広い分野を網羅する基礎的な科目から、ゼミ形式で各分野を掘り下げる科目、フィールドワークで国際協力の最前線を経験する科目などを開講。近年、企業や自治体、大学などの国際協力分野において盛んに取り組まれているSDGsについても学ぶことができます。
国際化に対応した施設?設備
※本記事は季刊「立教」262号(2022年11月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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