語学力だけではない真の「国際人」を目指して
経済学部経済学科教授 郭 洋春
2015/01/01
研究活動と教授陣
OVERVIEW
経済学部SSAコース(経済学部海外短期プログラム)のご紹介です。
英語で経済を学ぶ 語学は世界で活躍するための一つのツール
講義はいつもの単語テストから始まる。40語あまりの経済英語の用語テストのあとは、事前学習で視聴したビデオについてグループで話し合いを行う。英語のビデオは、マクロ経済学の需要曲線と供給曲線について。政府が紙幣を増刷した場合、人々が貯蓄を減らした場合などに分け、それぞれどのように需要と供給が動き、その結果金利が変わるかを示す。初めて耳にする分野なら、ネイティブでも理解するのが難しい内容だ。
「いつものようにグループで相談して、内容を黒板にまとめてください」と、講義を担当する郭先生から指示が出されると、学生は各自まとめてきた内容を話し合う。発表ではわかったことを説明し、難しかった点は後に続くグループに託すのもありだ。
そして、全員が書いた図を使って先生がまとめる。金融や金利は、経済学の中では難しくとらえられがちだが、郭先生は簡単だと言いきる。「要するに世の中、お金を借りたい人と貸したい人がいます。それで需要と供給が発生し、金利が上がったり下がったりします」と総括し、現状の金融政策についても同じ理論で説明を加えた。予習とグループワークを通じてじっくり考えた後なので、話はすっと頭に入る。
「いつものようにグループで相談して、内容を黒板にまとめてください」と、講義を担当する郭先生から指示が出されると、学生は各自まとめてきた内容を話し合う。発表ではわかったことを説明し、難しかった点は後に続くグループに託すのもありだ。
そして、全員が書いた図を使って先生がまとめる。金融や金利は、経済学の中では難しくとらえられがちだが、郭先生は簡単だと言いきる。「要するに世の中、お金を借りたい人と貸したい人がいます。それで需要と供給が発生し、金利が上がったり下がったりします」と総括し、現状の金融政策についても同じ理論で説明を加えた。予習とグループワークを通じてじっくり考えた後なので、話はすっと頭に入る。
4週間のイギリス留学が必須
「国際化というと、英語ができればいいとか、留学経験があればいいという考え方もありますが、経済学部ではそのように考えていません」と先生は言う。「日本にいたとしても、国際的なセンスと視野、そして世界に通用する知識を身につけるということが、本来の国際化ではないかと考えます」。この問題意識から今年度始まったのが、本講義のSSAコース(経済学部海外短期プログラム)だ。
経済学部では日本初となる反転講義形式を用いる。聞きなれない言葉だが、アメリカでは一般的で、学生は事前に英語の動画を視聴して講義内容を予習する。実際の講義ではグループワークを通じて、より深く内容を理解するという仕組みだ。プログラムでは、履修後イギリスやアメリカ、オーストラリアの大学に3~4週間留学し、専門科目を英語でみっちり学ぶ。
履修に際して語学力は問われない。あくまでも専門知識を英語で学ぶことが目的で、語学力を上げることではないからだ。
「14回の講義で、語学力と基礎的な経済学の知識が身につきます。450~470語の専門用語を覚えるので、現地での難しい講義もすっと入るようになります」。より効果的に行うため、予習やグループワークに加えて、本プログラム専用に開発された用語テストや、授業後の演習問題を通じて知識の定着を図る。
経済学部では日本初となる反転講義形式を用いる。聞きなれない言葉だが、アメリカでは一般的で、学生は事前に英語の動画を視聴して講義内容を予習する。実際の講義ではグループワークを通じて、より深く内容を理解するという仕組みだ。プログラムでは、履修後イギリスやアメリカ、オーストラリアの大学に3~4週間留学し、専門科目を英語でみっちり学ぶ。
履修に際して語学力は問われない。あくまでも専門知識を英語で学ぶことが目的で、語学力を上げることではないからだ。
「14回の講義で、語学力と基礎的な経済学の知識が身につきます。450~470語の専門用語を覚えるので、現地での難しい講義もすっと入るようになります」。より効果的に行うため、予習やグループワークに加えて、本プログラム専用に開発された用語テストや、授業後の演習問題を通じて知識の定着を図る。
語学留学が目的でないから得るのは真の異文化体験
海外プログラムの留学先は5カ国を予定しており、学生は経済学を学ぶ以外にもさまざまな体験ができる。イギリスでは日本企業の現地法人でインターンシップを経験し、グローバルな経済活動を自分の目で確かめる。秋にはオーストラリアでも同様のプログラムを行う予定だ。
経済学部には本プログラム以外に、海外での異文化体験を主な目的としたGCIコースがある。フィリピンでは2週間ごとに、前半は個人レッスンとグループディスカッションを通じて英語を徹底的に学び、後半はロータリークラブ(国際親善と社会奉仕を目的とする社交団体)にホームステイして、インターンシップをする予定だ。さらに特徴的なのは日本の食品メーカーからの依頼で、フィリピンでカレーを売るためのプロジェクトを行うことだ。学生にすべてが任せられ、結果を日本の役員に報告する。ほかにも現地でボランティア活動を行ったり、ロータリークラブで発表したりと、貴重な経験を海外ですることができる珍しい試みだ。
「専門知識と異文化体験という二つの分野で、我々は国際化を目指しています」と、先生は締めくくった。
経済学部には本プログラム以外に、海外での異文化体験を主な目的としたGCIコースがある。フィリピンでは2週間ごとに、前半は個人レッスンとグループディスカッションを通じて英語を徹底的に学び、後半はロータリークラブ(国際親善と社会奉仕を目的とする社交団体)にホームステイして、インターンシップをする予定だ。さらに特徴的なのは日本の食品メーカーからの依頼で、フィリピンでカレーを売るためのプロジェクトを行うことだ。学生にすべてが任せられ、結果を日本の役員に報告する。ほかにも現地でボランティア活動を行ったり、ロータリークラブで発表したりと、貴重な経験を海外ですることができる珍しい試みだ。
「専門知識と異文化体験という二つの分野で、我々は国際化を目指しています」と、先生は締めくくった。
郭 洋春先生
1983年法政大学経済学部卒業。1985年立教大学経済学研究科経済学専攻博士課程前期課程修了。1988年立教大学経済学研究科博士課程単位取得満期退学。1991年立教大学経済学部経済学科専任講師。1994年同助教授。2001年同教授。
1983年法政大学経済学部卒業。1985年立教大学経済学研究科経済学専攻博士課程前期課程修了。1988年立教大学経済学研究科博士課程単位取得満期退学。1991年立教大学経済学部経済学科専任講師。1994年同助教授。2001年同教授。
VOICES of University Students 学生の声
経済学部 会計ファイナンス学科3年生
もともと留学を希望していましたが、語学研修ではなく専門学を海外の大学で学びたいと思った時に、通常必要とされるTOEFLやTOEICなどの点数によって制限されない点が、このプログラムの良いところです。
経済学部 経済学科2年生
郭先生はとてもおもしろい方で、話しが上手く、冗談も交えてわかりやすく説明してくれるので、集中して講義を聞くことができます。大学の魅力は自由なところで、興味のある講義は、他学部のものでも受講可能です。
経済学部 経済政策学科3年生
講義では一般的な語学力を必要とせず、事前に専用のサイトで英語の動画と単語を予習し、わからなかったことはグループで確認でき、自宅で再度動画を復習するという、一連の流れで理解が深まります。
「TOSHIN TIMES」より
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
もともと留学を希望していましたが、語学研修ではなく専門学を海外の大学で学びたいと思った時に、通常必要とされるTOEFLやTOEICなどの点数によって制限されない点が、このプログラムの良いところです。
経済学部 経済学科2年生
郭先生はとてもおもしろい方で、話しが上手く、冗談も交えてわかりやすく説明してくれるので、集中して講義を聞くことができます。大学の魅力は自由なところで、興味のある講義は、他学部のものでも受講可能です。
経済学部 経済政策学科3年生
講義では一般的な語学力を必要とせず、事前に専用のサイトで英語の動画と単語を予習し、わからなかったことはグループで確認でき、自宅で再度動画を復習するという、一連の流れで理解が深まります。
「TOSHIN TIMES」より
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
CATEGORY
このカテゴリの他の記事を見る
研究活動と教授陣
2024/12/20
今の努力が、新たな知の扉を開く——立教大学×高志高等学校
立教大学特別授業