心理芸術人文学研究所Rikkyo Research Institute for Advanced Research in the Psychology, Arts and Humanities

現代心理学部に附属する心理芸術人文学研究所は、心?身体?環境の相互関係を視野に置き、社会的環境の新しい要素である「映像」を重視しながら、21世紀の人間学の創造を目指す研究を行います。また、心理学?臨床心理学?哲学?社会学?映像学等を横断する学際的人文学の創出を目指し、現代心理学部?研究科の研究教育の進展に貢献することを目指します。

研究所からのお知らせ

2024.10.28 公開シンポジウム「舞台におけるヴァーチャル」開催のお知らせ(11月17日開催)
立教大学心理芸術人文学研究所では、2024年11月17日(日)に公開シンポジウム「舞台におけるヴァーチャル」を開催します。
どなたもふるってご参加下さい。
一般にはヴァーチャル?リアリティ(コンピューターによる仮想現実)という言葉によって知られる「ヴァーチャル the virtual」という概念は、哲学史においては現実の様態としての潜勢態を意味します。本シンポジウムは、こうした根源的な意味でのヴァーチャル概念を演劇やダンスの文脈に接続し、舞台(人が共に観る場所 theatron)においてどのような知覚?想像体験が起こるのかを理論的に、また実践的に探求します。

優れた舞台においては、しばしば不可思議な情動反応や魔術的なビジョンが体験されます。そこでは、明瞭な形や刺激として認知される手前のもの?未満のもの?以外のものが大きな役割を果たしていると考えられます。芸術体験に作用するこうした審級を仮に「ヴァーチャル(潜勢的)な次元」と呼びます。私たちはそれをいかにして学術的に論じ、芸術の実践に結びつけることができるでしょうか。またそれは狭義のヴァーチャル?リアリティや没入的な映像テクノロジーの体験と何らかの関係をもつのでしょうか。

心理芸術人文学研究所では、こうした問いを探求するために連続研究会を2年間にわたって開催し、哲学、映像研究、心理学など様々な分野の専門家を招いて討議を重ねてきました。この研究会の成果を広く学内外に届けるために、本シンポジウムを開催いたします。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。


立教大学現代心理学部映像身体学科
砂連尾理 松田正隆 宮川麻理子 横山太郎

シンポジウム「舞台におけるヴァーチャル」

日時:2024年11月17日(日)10時00分—17時00分
会場:立教大学池袋キャンパス太刀川記念館3階カンファレンス?ルーム
主催:心理芸術人文学研究所
対象者:本学学生、教職員、校友、一般
申込:事前申込不要
平博电竞_平博电子竞技官网-app|下载:心理芸術人文学研究所 riarpah@rikkyo.ac.jp

プログラム

10:00–12:00 パネルⅠ
かたちのてまえ──形象?身体?ダンスと/におけるヴァーチャル
  • 「身体原則の此岸」
    柿並良佑(山形大学)
  • 「形象的なリズム」
    星野太(東京大学)
  • 「言葉という潜在的ダンス──大野一雄の蔵書への書き込みより」
    宮川麻理子(立教大学)
コメンテイター:宇野邦一(立教大学名誉教授)
13:10–13:55 ワークショップⅠ(短編演劇)
  • 「母の死を上演する試み」
    作?演出:松田正隆(立教大学)
    出演:生実慧 吉田萌 我妻直弥
14:05–14:50 ワークショップⅡ(実験)
  • 「視覚変換経験を通したダンスの実験ワークショップ」
    砂連尾理(立教大学)
    白井述(立教大学)
15:00–17:00 パネルⅡ
観ることの層──観客の経験におけるヴァーチャル
  • 「世界を二重化する装置としての劇場/演劇/XR」
    相馬千秋(東京藝術大学)
  • 「ドゥルーズとラカンの「ヴァーチャル」と演劇の経験」
    平田栄一朗(慶應義塾大学) 
  • 「私たちは能舞台に何を想像するのか──物語と修辞のあわい」
    横山太郎(立教大学)
コメンテイター:田崎英明(立教大学)
2024.05.20 2023年度業績リストを掲載
概要—業績リスト:「2023年度業績リスト」を掲載しました。
2024.04.16 2024年度所員リストを掲載
概要ー所員:「2024年度所員リスト」を掲載しました。
2024.02.13 公開講演会「映画監督?是枝裕和氏を迎えて」学生レポート(7月14日開催)
7月14日(金)心理芸術人文学研究所主催により、公開講演会「映画監督?是枝裕和氏を迎えて」が池袋キャンパスで開催されました。その様子を講演会に参加した泉村佳那さん(現代心理学部4年次)が報告します。

詳細はこちら

2023.09.12 講演会「ヨガと心理学」開催レポート(7月15日開催)
7月15日(土)心理芸術人文学研究所主催により、講演会「ヨガと心理学」が新座キャンパスで開催されました。その様子を講義とワークショップに参加した佐藤可奈さん(現代心理学部3年次)が報告します。
2021.11.03 公開講座「コロナ禍における心と身体の養生を考える—マインドフルネスと気功の実践」
2021年11月3日(水)14:00~16:00 心理芸術人文学研究所

概要

心理芸術人文学研究所について
心を取り巻く現代社会の複雑な環境において人間とは何かを問うとき、身体を考えることはきわめて重要です。人間存在の多様な側面は身体を土台としています。心的病理の解明もまた社会的環境および身体と切り離すことができません。身体における感覚?知覚、認知、運動機能を基盤に、歴史的、社会的文脈の中で心身がいかに把握されるかを、総合的に研究する必要があります。また今日の世界では、これに加えて日常生活の隅々にまで流通するようになった映像が、身体と環境の一部となり、心身の営みに深く関与しています。

この研究所は、心、身体、環境の相互関係を焦点として新しい人間学を切り拓き、実証科学的知見、人文科学、芸術的創造という三つの領野を横断し融合する新しい知の創造をめざします。また最新の設備や技術を導入しながら、理論面および実践面において、心理学、身体学、映像学、そしてそれらの関連領域にわたる研究の発展に寄与します。さらに本研究所は、こうした研究?開発の上に立って、優秀な人材の養成、国内外研究機関との活発な研究交流、イベントの開催、先端企業との共同開発、地域への貢献等、さらなる展開を企図するものです。また、その研究成果は、現代心理学部及び現代心理学研究科の教育内容に反映され、先端的な問題意識を吹き込み、新たな知見を付け加え、将来のカリキュラム改革にも備えることになります。
所員
所長
横山 太郎

副所長
小口 孝司

所員
松永 美希
砂連尾 理
宮本 裕子
大石 幸二
石黒 格
白井 述
林 もも子
山田 哲子
氏家 悠太
温 文
都築 誉史
田中 志帆
岡島 純子
KAVANAGH,M.CHRISTOPHER
前田 楓
金子 彩子
中島 実穂
原 信夫
逸見 敏郎
岩瀧 大樹
山中 淑江
松田 正隆
加藤 千恵
篠崎 誠
日高 優
田崎 英明
大山 載吉
滝浪 佑紀
樋本 淳
江川 隆男
山田 達也
宮川 麻理子

研究従事者
赤木 真弓
山口 一美

研究支援者
祥雲 暁代
川原井 翔
草野 勉
齋藤 誠四郎
加本 有希
船間 千鶴
三宅 隆司
伊藤 友二
桑原 喜子
瀬下 夢大
業績リスト
施設案内
地上8階建ての建物で、低層階には、図書館を中心として、ロフト(教室)、コンピュータ実習室を、高層階には、研究室、会議室を設置しています。現代心理学部教員の研究室や大学院生室もあります。
映像製作のためのスタジオ。地上1階建て、広さ約200㎡、照明下の高さ約5m。2面R仕様の白ホリゾント壁を設置し、5m×5mのクロマキー合成用のブルーバック幕を装備。基本となる照明設備は備えつけで、本格的な映画?ビデオ?スチール写真などの撮影が可能です。
現代心理学部の実験施設。

取り組み?プロジェクト

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(映像生態学プロジェクト平成23年度~27年度)

研究プロジェクトの概要

事業名:新しい映像環境をめぐる映像生態学研究の基盤形成
事業取組主体:現代心理学部付属心理芸術人文学研究所
研究代表者:現代心理学研究科 芳賀 繁 教授
参加研究者数:22名

 超高精細映像や三次元(3D)映像、インターネットを通じた映像の通信、大画面?3Dテレビの普及、各種モバイル機器の進化などによって、私たちの周りに新しいタイプの映像があふれている。誰もが簡単に映像を作り出しWeb上で発信できるため、映像の送り手と受け手の境界も今や曖昧である。この状況の中で、映像を制作する技法や、映像を使った表現にも次々と新しいものが出現している。このような映像環境が、人間の心身や社会関係にどのような影響を与えるのか、どのような体験をもたらし、どのような映像?身体表現を生みだし、身体のイメージはどう変容するのか。本プロジェクトは、映像の送り手、受け手、体験者、表現者としての人間と、それを取り巻く映像環境を「映像生態系」ととらえ、その様々な側面を研究する学問たる「映像生態学」の研究基盤を形成する。この研究基盤の上に、映像環境と人間の関わりについての幅広い研究と応用が促進され、産学連携や研究者間交流の拠点が形成される。
 本研究を通じて、人間とそれを取り巻く新しい映像環境が持つ様々な有形無形のインパクトおよび潜在的リスクが学術的?実践的に解明され、問題解決が図られるとともに、新しい映像技術?技法?表現の方向性が明らかとなる。この研究基盤の上に、映像環境と人間の関わりについての様々な研究が促進され、映像技術?技法?表現,芸術、社会的応用の発展を牽引することになる。その結果、高い質の擬似体験を生み出す装置、コンテンツ、超高精細映像や三次元映像を含む次世代映像情報メディアが創出され、直接体験させられない事象(事故,災害など)への予防的な取組みが喚起される。また,工学的な技術革新や商業ベースのシステム開発に対して人間工学の観点からのガイドラインや示唆を与えるであろう。さらに「映像生態学」的アプローチは、これまで別個に考えられてきた博物館、美術館、映画館、劇場、コンサートホールなどの施設を従来と大きく異なる方法で融合させるばかりでなく、病院や公共施設、広告ディスプレイなどについても、そのあり方を問い掛ける知見を生み出すことになる。
研究報告書

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立教大学心理芸術人文学研究所

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